滋賀、オステオパシー、ホロソフィー、大津、雄琴、高島、今津、草津、栗東、守山、野洲、近江八幡、彦根、長浜、クチコミ(口コミ)、整体、ボイタ、頭蓋仙骨療法、腰痛、頭痛、生理痛、不妊症、ムチウチ、発達障害

乳幼児期のお子さんに対しての施術

滋賀県は桜が満開となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

さて、当院には日々中々若めのお子さんにもお越しいただいております。

中には生後2か月という方もおられます。

元々、私自身がボイタ法をしていた施設にいたというのもありますが、お子さんのエネルギーというのは凄まじいものがあり、こちらまで元気を頂けるような感じがして、個人的にはお子さんに施術させて頂くのは本当に好きです(お歳を重ねられた方が嫌いという訳ではありません)。

 

そんな中、先日からお越し頂いている方からまたまた嬉しい感想を頂きました。

この方は息子さんが一歳九か月になっても歩かれないとのことで、心配になられお越し下さいました。

 

(お母様より)

息子は、1年9ヶ月の検診までには歩くだろうと思っていたのですが…
1歳8ヶ月になっても歩かないし、どこかにつかまらないと立ってられないし、先生に施術をお願いしました。
初めて施術してもらった1回だけで、何もつかまらないで立って、膝を曲げたり伸ばしたりしててビックリしました。
そして少し歩けるようになりました。

それから定期的に施術を受けてます。

息子は、成長が止まっていて赤ちゃんみたいだったんですが、私のマネをするようになったり、言葉を覚えたり、ぐんぐん成長してます。
顔つきがしっかりしてきて男の子っぽくなりました。

また、施術してもらった日や次の日は、新しい言葉を覚えたり、成長がいくつかあります。
今日は外でも自分の足だけで歩きました。
少しでしたが、うれしすぎます♪

先日、検診に行ったんですが、
小児科の先生の前で、立っちも、歩くこともできました。
発達の先生と一緒に遊んでる様子を見てると、そんなこともできるようになってたんだって驚きました。
いつもありがとうございます。
これからも息子の身体をよろしくお願いします。

まさか一回の施術で歩くようになられるとは思っていませんでしたが、本当に良かったです。

ということで、本日はちょっと赤ちゃんの発達についてお話させて頂きます。

 

正常な運動発達では大体2~3ヶ月で首が坐り、5~6ヶ月で寝返り、7,5か月で横坐り、8ヶ月で四つ這い、9ヶ月でつかまり立ちという一連の段取りを経て赤ちゃんは歩けるようになっていきます。

簡単に言うと、全ての赤ちゃんは生まれてから約1年の期間で臥位→寝返り→側臥位→起き上がり→坐位→立ち上がり→立位→歩行という姿勢や動作を決められた順番で行っていきます。

これは月例の前後は多少あるものの、行う順番は必ず同じです。

 

なぜこの順番になるかということ説明するには、まず支持基底面と重心という少々聞きなれないフレーズの説明からしないといけません。

支持基底面というのはその姿勢の時に床と接している面積のことです。

重心は質量中心とも言いますが、重さ(重力)を考慮したときにその点を支えると全体を支えることができる点、重さ的にバランスのとれる点のことを言います。

ヒトで言うと大体お臍の下辺りになります。

body_2_pic_01引用http://kaigoouen.net/skill/body/body_2.html

この支持基底面というのは広いほど安定しており、狭いほど不安定です。

重心というのは低いほど安定し、高いほど不安定です。

また、支持基底面の中に重心が入っていないとヒトは転倒してしまいます。

 

以上を踏まえた上で、先ほどの赤ちゃんの発達に即して見ていきましょう。

まず、人の姿勢の中で一番支持基底面が広く重心が低い安定している姿勢は臥位(仰向けやうつ伏せで寝ている状態)です。

その次が側臥位(横向きに寝た姿勢)、その次が坐位、そして一番不安定なのは立位です。

そして、臥位から側臥位になる動作のことを寝返り、側臥位から坐位を起き上がり、坐位から立位を立ち上がりといい、立位で移動するという最も支持基底面が狭く、重心が高い動作のことを歩行といいます。

つまり、赤ちゃんの発達する順番が必ず同じなのは徐々に支持基底面を狭く、重心を高くしていくことで最終的に歩行という動作を獲得するためです。

当然ですが、安定しているものは動かしにくく、不安定なものは動きやすいので、歩行という動作は非常に理にかなった移動手段ということになります。

 

 

こういうと凄く簡単そうに聞こえますが、発達を学ばせて頂くと赤ちゃんが地球の重力に勝つために本当に理にかなった見えない努力を重ね、最も効率よく筋肉を使っていることがわかり感動します。

だから、赤ちゃんはあんなに小さい身体に少ない筋肉しかありませんが、極限まで筋肉の効率を良くしているのでどこが痛いとも言わずに動き回れる訳です。

そのため、筋肉の量より質を高められるということで、最近ではサッカーの長友選手やハンマー投げの室伏選手もトレーニングに赤ちゃんの運動を取り入れていることで有名です。

 

ここまでお話させて頂いたら、赤ちゃんの発達がどこまで大切かご理解頂けたと思います。

 

私は赤ちゃんの発達を評価していく場合、その子が

「どういった姿勢で、どういった動作を出来ているか?」

を見ていく訳なのですが、大人と違いこちらの言うことを聞いて頂ける訳ではないことと、見る対象が小さいため、難易度はどうしても高くなってしまいます。

そのため、定期健診ではこの辺りの月例でその赤ちゃんが今

「何を出来ているか?」

ということを見ていくことが多いのですが、こうなるとその赤ちゃんの動きの質ではなく量を見ることになってしまいますので、ある程度仕方のないことなのですがどうしても大味になってしまい変わった動きをしていてもOKとなってしまうことが多くあります。

 

本来はそれで良いのですが、ここまでお話させて頂くと、本当に大切なことはその赤ちゃんが今

「どういった姿勢で、どういった動作を出来ているか?」

という量より質を見ることが大切だということがお分かり頂けると思います。

 

その中でも赤ちゃんの首がいつ坐り、どの様に寝返りしたのか?というのはとても大切です。

というのも、この1年に渡るカリキュラムの第1段階、つまり臥位→寝返りを行えるようになるだけで6ヶ月という期間がかかってしまいます。

当たり前ですが、これは歩けるようになるまでの期間のおよそ半分を占めます。

それくらいこの期間が大切だということです。

 

では、この期間何をしているかというと、首が坐ったり、仰向けやうつ伏せの状態で動ける範囲で動いたり、泣いたりと上手に必要な筋肉を使いながら家でいうところの基礎工事の様な作業を行っています。

具体的に言うと、首が坐るというのは、仰向けの状態でそれまで浮き上がっていた赤ちゃんの肩甲骨が床についてきて、肩甲骨が体幹の楔になることで腹筋が働けるようになり、背筋と連動して前後から背骨を支えられるようになることで可能となります。

そして、背骨を自分の筋肉で支えられる様になって初めて背骨の回旋などが行えるため、寝返りなどが行えてきます。

逆に言うと、首が坐っていない状態というのは基礎工事が上手く行えていない家と同じ様な状態ですので、その状態でその後何をやったところで立派な家を建てることは出来ません。

 

このお子さんの場合は、お話を伺っていると首が坐ったのが6ヶ月、寝返りをしたのが5ヶ月の時ということでした。

また、四つ這いは手がグーの状態でしか行わないとお母さんが心配しておられました。

そのため、本来の順番とは逆になってしまっていますので、この子が5ヶ月で行った寝返りは理想的な状態ではなかったのだと考えられます。

 

実際に来られた時にこの子が行っていた寝返りは足を持ち上げて目的物に向かって手を伸ばすという腹筋を優位とした寝返りではなく、身体を反り返らせて寝返るという背筋が優位の寝返りでした。

また、全ての姿勢で肩甲骨がまだ拳上しており体幹の楔としては不十分な状態でした。

 

先ほども言わせて頂いた通り、ヒトは坐位や立位、歩行といった動作を行うとき、腹筋と背筋が前後から仕事をしてくれることで姿勢を保持出来ます。

しかし、このお子さんの場合は腹筋が上手く機能出来ていないため、これらの姿勢や動作が上手く出来ていないのではないかと考えました。

 

施術としては頭蓋の緊張を取り除き、肩甲骨が楔となり腹筋が働ける様に促していきました。

 

すると、1回目の施術後に自宅で歩いたという嬉しい報告を頂きました。

 

一週間後には5歩くらい歩けるようになったとのこと。

その後、聞くたびに歩数が増え、一か月後には外も歩くようになれたとのことです。

 

また、腹筋の機能が改善したためか、便秘も改善してきたそうです。

 IMG_4865IMG_4864

(写真は施術を始めてから一カ月の時に撮らせて頂いた写真です。)

 

余談ですが、足底には感覚受容器が非常に多く配置されているため、そこから刺激が入ると顔つきなども変わられます。

元々、凄く男前な子ですので、今後どの様な顔つきになられるか楽しみにしています。

 

お子さんのことでお悩みのお母さんは些細なことでも結構ですので、一度ご相談頂ければと思います。

LINEでもご予約可能です。